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「九重登山って何だろう?」
ボクが通った福岡市中央区の高校では、学校の夏の行事のひとつとして“九
重登山”というものがあった。それは日帰りだったり、キャンプする場合もあ
ったりする。学校の教員が、学生を引率している夏のイベントなのだが、偶然
、ボクの年は台風で中止となった。
面白いことに、卒業後いろんな人たちと話をすると、必ずと言っていいほど
、福岡の高校を卒業した人は、この九重登山を経験していた。そして必ずと言
っていいほど返ってくる答えは同じで、「辛かった」、「きつかった」であっ
た。ボクには幸い、その辛い経験がないのだ。
これはどう評価すればいいのだろう。ボクは毎年のように、大きなバックパ
ックにテントとシュラフを担ぎ、九重の有名な坊ヶツルという草原でキャンプ
をし、そこをベースに周辺の山の頂に上ったり、法華院温泉(九州で最も標高
の高い所にある温泉で、歩いて山登りをしないと行けない)に浸かったり、テ
ントサイトの草の上で昼寝をしたりして、気分最高のひとときを過ごしている
。もちろん、山登りのためのノウハウ、山の上での過ごし方のノウハウを利用
してのことだ。
推測するに、学校の教員は日頃の仕事が忙しいから、その一瞬を行事として
こなしているだけで、山で過ごすためのノウハウを事前に教えたり、自らも習
得したり、といった努力をしていないのではないか、と思われる。確かに、ボ
クの知っている教員の中で、自然についての知識や自然を相手にアウトドア遊
びをするための知識にたけている人はかなり限定される。となると、やはりそ
ういったスキルのない教員が学生を引率していることになる。雨の時の対策に
はそれなりの装備が必要だ、ということも怠っているに違いない。だから、と
っさの環境の変化に学生はついていけず、困惑するのだ。学生に辛い思いをさ
せたら、自然を嫌いになるばかりである。
登山関係の書籍を読めば容易にわかることだが、「山に登る時は、万が一の
時のことを考えて道具を揃えたり、対処を考える。」である。初心者の時は、
ベテランと一緒に行動すること、というのもよく見かけるコメントである。そ
う考えると、教員はまったく逆のことをやっていることになる。準備もきちん
とせず、事前の予習も十分にせず、経験も積まず、超初心者の学生たちを引率
する。危険極まりない行為じゃないのか?。九重登山なんて、高校時代に経験
することのできる、貴重な集団野外生活である。もうちょっと真剣に取り組む
べきではないだろうか、と思う。
そんな知識も経験もない人間が、時々起こる自然災害に対してあれこれコメ
ントするのが、日本人の悪い習性だ。ボクらも地球上で生活するひとつの生物
に過ぎないのだから。
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