「辻けいさん、凄い!」
先日、NHK教育にて、こんな素敵な番組がありました。
「課外授業/ようこそ先輩」〜発見、驚き、私だけの色(辻けいさん)〜
パソコンや絵の具、クレヨンなど、現代社会には実に豊富な色を自由に選択
でき、そしてそれを使ってアートできる。しかし、染料というのは、自由に色
を選択できないばかりか、染料とできあがりの色とでは、色が一致しない場合
も多い。そこに“化学”が存在する。
繊維を染めるということは、まず糸(布)を染料の入った(溶けた)液に漬
け込むことから始まるが、その後の反応の過程が興味深い。藍の葉っぱで染め
たシルクの布は、漬けた直後は緑色だったのが、空気に触れると化学反応をお
起し、青に変化している。また、別の染料では、川の水にさらすことで、水の
中の金属が付着し反応することで真っ赤に変化する。目に見えるダイナミック
なその色の変化は、授業を受けている生徒たちを魅了する。まさに生きた教育
だ。染色の過程の要所、要所で、染色という作業と自然との関わりや人間との
関わりをキチンと生徒たちに伝える(ここがとっても重要!)。
染料は、自然界にあるものだから、染料を探すこと自体が自然体験であり、
アウトドア遊びでもある。そこに辻先生が割って入り、山ブドウや泥を生徒の
体操服にいたずらして塗り付ける。自然界の中で汚れて(あまりよくない表現
だな)遊んだことのない生徒たちは一瞬嫌な気持ちを持つが、次第にその快感
に気づく。そんな自然との触れ合いをも授業の重要なひとつのファクターであ
る。そこには自然との触れ合いを実現するとともに、辻先生と生徒との人間的
な暖かい触れ合いを実現している。
最後は生徒たちに、染料になりそうなものを自然界や家庭から探させて、そ
れらを使って染色を体験させる。染料になりそうなものでないものでも、チャ
レンジさせる。うまくいくものもあれば、うまくいかないものもあるが、「オ
レンジ色」とか自分の目標の色を述べさせ、その通りにいくかどうかというこ
とも生徒たちに体感させる。そして、全員が自分オリジナルな色で四角い布を
染めて、その授業は終了する。
生徒たちは、生き生きとした表情で授業に望み、自分オリジナルな色を染め
るとともに、自ら様々なものを発見する。まさに、実体験を通した環境教育の
ひとつのカタチであった。
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