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<薫製(スモーク)の知識>
<薫製(スモーク)のついて>
薫製(スモーク)とは、大まかに言えば、食材を塩漬けにして旨味を
引き出し、さらに乾燥させながら煙をかけて保存性までも高めたもの。
薫製は、冷薫、温薫、熱薫と処理の間の温度やその時間の違いにより
3つの種類に分類され、低温で長時間いぶすほど保存性が高くなる。
処理の種類 | 概 要 |
冷薫 | 15〜30℃で一週間から数週間と長時間薫煙し、熟成の旨味が充分に活きる方法。 |
温薫 | 50〜80℃で2時間から12時間程薫煙。適度な旨味と薫煙の風味が付く方法。 |
熱薫 | 120〜140℃の高温で短時間薫煙する方法。1kgのバラ肉が1時間半程でベーコンになる。 |
しかし、キャンプでは当然その場で食べたいので、保存性はあまり考
慮する必要もないので、温薫または熱薫でやるといい。薫製作りはキャ
ンプサイトでの遊びのひとつでもあるし、ひとつの演出にもなる。
<スモークウッドの種類>
薫製を作るには、煙を出す香りの良いスモークウッドが必要になる。
スモークウッドには、2種類の形態があり、ひとつはスモークチップと
呼ばれるもので、木を小さく削ったもので、オガクズと考えればいい。
もう一方は普通にスモークウッドと言われるスティック状のもので、ス
モークチップよりももっと細かな木屑を固めたものである。
この2種類は使用方法も異なっていて、スモークチップの方は、鉄皿
の上にチップを乗せて、下からバーナーの火などで熱して煙を出させる
方法で、スモークウッドの方は、お香のようにそのものに直接点火して
煙を出させるというもの。
●種類 |
●特徴 |
サクラ |
香りが強く、肉の持つ臭みを和らげマイルドに
仕上げてくれる。 |
ブナ |
短時間で色づき、少し渋みがあるが、魚に合う香りを
持つ。 |
ナラ | 色づきが早く、香りが柔らかい。 |
リンゴ |
独特の甘い香りが特徴。鶏肉、淡水の魚に合う。 |
クルミ |
肉、魚介類等オールマイティーに使用できる。 |
ヒッコリー |
海外でポピュラーなスモークウッド。クルミに似た香りを持
ち、肉によく使用される。 |
<薫製(スモーク)にできるもの>
肉や鱒類の魚が一番人気があるが、薫製はもっと応用範囲は広い。遊
び心も加えていろんなものでチャレンジしてみよう。
・魚の干物
塩漬け、乾燥という前処理はすでに完了しているのでとっても手軽。
サンマ、アジ、サバなど、温薫、冷薫でOK。特に塩サバのスモーク
は絶品。
・カマボコ
これも前処理なくそのままスモーカーに入れてしまえばいい。いいツ
マミになる。
・チーズ
冷薫でスモークすると市販のものにも負けないスモークチーズの出来
上がり。
・茹で玉子
塩を振ってからスモーカーに入れる。温薫、冷薫で。
<薫製の基本パターン〜魚の薫製の作り方〜>
・材料:
ニジマスまたは山女魚・・・20cm位のを5匹
塩・・・・・・・・・・・・100g
胡椒・・・・・・・・・・・大さじ1杯
・用意する道具:
スモーカー、スモークウッドまたはスモークチップ、
フックまたはタコ糸
・作業:
1)魚のエラとハラワタを取り除く。この時アゴの部分を切り離さない
ように注意する。形が悪くなるだけでなく、タコ糸を使う場合に糸
がかけられなくなる。背骨のところの血合いを指で綺麗に取ってか
ら水で洗う。水気をよく拭き取って、塩と胡椒をよく擦り込む。
2)ビニール袋に入れ7〜8時間程度クーラーボックスに入れておく(
この作業は事前に自宅でやっておくとフィールドで遊ぶ時間が増え
る)。時間が経過したらビニール袋からボールに移し、流水にさら
して20〜30分間塩抜きをする。腹やエラぶたの中に入った塩も
入念に洗う。
3)ふきんなどで水分を拭き取り(腹の中も)、頭にフックを付ける。
作業中に落ちないようにしっかりと取り付ける。タコ糸の場合は、
頭からエラぶたの下を通し、口に抜いて紐掛けする。
4)風通しのいい日陰に吊して乾燥させる。魚がくっつかないようにす
き間を充分とって乾燥させる。風の具合によって乾燥にかかる時間
は変わってくるが、魚の表面を手で触っても水分を感
じず、ぴしっと張った感じになったらOK。
5)温度を30度前後に調整したスモーカーに魚を入れ2時間程度乾燥
させる。次にスモークウッドを入れて温度を50度程度にし3時間
程スモークする。
専用のスモーカーがない場合には、中華鍋にスモークチップ、アル
ミホイル、網の順に置いて魚を乗せ蓋をするといい。蓋は鍋の蓋で
もいいし、アルミホイルで作ってもいい。
6)温度を75度くらいに上げて約1時間スモークする。魚の表面が黄
金色になり、触ると弾力が出ていれば完成。タイムやローズマリー
などのハーブを味付けの時に混ぜておけば、また異な
った味わいが楽しめる。
<ポイント>
・塩漬けの時間が長過ぎたら、2時間程水に漬けて塩抜きするとい
い。
・乾燥はしっかり乾燥するまでがまんで待つこと。焦りは失敗のも
と。
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